前回の続きです。スライドの画像を載せすぎたせいかブログの編集画面が重くなったので、2回に分けました。
前回の記事を見ていない方は先に前回をごらんください。いきなりこの記事を見ても意味がわからないと思います。
というわけで、ここからプロジェクト管理とはどんなことをするのか説明します。具体的な管理方法についてはもう少し後で説明します。
プロジェクト管理に必要な要素はいわゆる5W1Hのようなものですが、「どこで(Where)」は不要なので実際は4W1Hです。
「どんなプロジェクトか?」「いつまでに必要か?」の必要性はあらためて説明するまでもないので、それ以外の3つについて説明します。
まず「誰がやるか」ですが、ここで重要なのはプロジェクトの責任者を1人だけ決めるということです。0人でも2人でもなく1人だけです。
責任者の役割はプロジェクトの進捗把握および完遂までの責任を持つことで、具体的には「このプロジェクトって今どうなってる?」と聞かれた時に「ここまで進んでいます、残る作業はアレとコレで、ソレがちょっと詰まっているのであとで○○さんに相談します」のように答えられるようにすることです。
プロジェクト責任者は必ずしもプロダクトマネージャーである必要はありません。開発系のプロジェクトなら開発者が、営業系のプロジェクトなら営業が主導したほうがスムーズに行くでしょう。
また、責任者を2人以上にしてしまうと、お互いに「もう1人がやってくれるものだと思っていた」と思い込んで何も進んでいない・・・ということも起こり得るのと、2つの司令塔から別々の指示が飛んでくると現場は混乱するので1人である必要があります。
そして、責任者はそれぞれのタスクまですべて対応する必要はありません。適宜ふさわしい人に振ってください。
次に、責任者はプロジェクトに対して具体的なタスクを洗い出します。そして洗い出したそれぞれのタスクに対しても担当者と期限を設定してください。
そのプロジェクトはそもそも何のために必要なのか、ということも重要です。
「一方ロシアは鉛筆を使った」という有名なジョークがあります。冷戦時代にアメリカとロシア(当時のソビエト連邦)が宇宙開発競争を繰り広げており、アメリカは無重力状態ではボールペンのインクが出ないため紙に文字を書けないことに気づきました。そこでアメリカはどんな状況でも書ける究極のボールペンを作り上げるために膨大な期間と予算をかけました。一方ロシアは鉛筆を使いました。
この話自体は創作ですが、何のために必要なのかという本質を見極める上ではとても重要な話です。本質は「無重力状態でも文字を書きたい」であって、「無重力状態でも書けるボールペンを作りたい」ではありません。「何のために必要なのか?別のアプローチはないのか?」ということを常に意識しましょう。
そして、プロジェクトに必要な要素はもう1つあります。それは「どうなったら完了か」つまり完了状態の定義です。
完了状態とは、文字通り「これ以上なにもすることがない状態」です。例えば何かの機能をリリースするというプロジェクトがあったとして、機能を開発して本番環境にデプロイしたら完了でしょうか。
- 動作確認は不要?
- ユーザーマニュアルの更新は?
- 社内用のドキュメントは必要?どこに残す?
- 告知は必要?メルマガ?自社メディア?プレスリリース?記者発表?
などなど、考えることはたくさんあります。あるいは営業案件であれば、
- ターゲットに対して営業をかけること自体が目的?
- 「うん、いいんじゃない」という言質を取ったら終わり?
- 受注契約を取ったら終わり?
- 実際に発注を受けたら終わり?
- 納品したら終わり?
- 納品物に対して検品書を受け取ったら終わり?
- 次回以降の受注につながる対策を打つところまでやる?
のように、完了状態の認識は人によって異なります。これを最初に定義しておかないと、終わったと思っても「あれ、これもやる必要あるんじゃない?」とギリギリになって慌てる羽目になります。
では、いよいよ具体的なプロジェクトの管理方法について説明します。
まず、管理ツールはTrelloの有償版を使っています。理由はいくつかあります。
- プロジェクトの一覧が見やすい
- 自動化できる(あとで説明します)
- 各タスクにも担当者と期限を設定できる(有償版のみ)
- タスクの期限をカレンダー表示できる(有償版のみ)
- いちいちブラウザーで開かなくても、デスクトップアプリをPCログイン時に起動設定することで確認しやすい
などなど。
Trelloでは、カードという単位でプロジェクトを管理します。カードはリストでグルーピングできますが、リストは「要対応」「対応中」「今回作業した」「完了」「先方アクション待ち」「却下」の6つを作成します。
このうち特に重要なのは「今回作業した」です。どのように使うのかは後で説明します。
Trelloでは新規カード(プロジェクト)用のテンプレートを作成できますが、こんな感じで作っておきます。上で説明したとおり、「目的・概要」と「完了状態」が特に重要です。
カードは、必ず完了状態を明確に定義した上で作成してください。
プロジェクトを完了状態にするために必要なタスクを洗い出し、下のチェックボックスに追加していきます。それぞれのタスクにも担当者と期限を設定してください。
Trelloではタスクの入れ子ができないので、さらに細かいサブタスクに分割する場合は別のチェックリストを作ってください。その際、親タスクを太字にして「太字のタスクは下にサブタスクがある」というルールで運用すると視認しやすいかもしれません。
さらに下には「アクティビティログ」というものがあります。ここにコメントを残すと「いつ」「誰が」「どんなコメントを残したのか」がわかります。
進捗があったときはもちろん、相談事があるときや予定通りに進んでいないときなど、何かあったらとりあえずここにコメントを残すという習慣をつけましょう。
そしてオートメーション機能を使って、アクティビティログにコメントが追加されたカードを「今回作業した」リストに自動的に移動するように設定します。
作業報告会は、主にこの「今回作業した」リストを確認する会です。
そしてまた編集画面が重くなったので残りは次回!次回で完結するはず・・・
0 件のコメント:
コメントを投稿