数学とコンピューター好きの端くれとして、円周率ネタは大好きなんです。中学生くらいの頃は無駄に300桁くらい覚えていたり、円周率の計算式を独自に導出したりしていました(後にすでに発表されていることが判明したんですが・・・)
直近ではGoogleが100兆桁まで計算していて、今回はそれを5兆桁更新したというニュースです。
記事にあるとおり、この計算をしたのはストレージの専門家なのですが、「なぜ円周率の計算をストレージ専門家が?」というところが興味深いので今回ネタにしました。
というのも、こういう計算系はアルゴリズムの工夫によって記録が更新されるように見えますが、近年の円周率業界はy-cruncherというソフトで「チュドノフスキー級数」を計算する・・・という方法が定番で、アルゴリズムはもうほぼギリギリまでチューニングしきっているような世界なのです。
そのため、昨今の円周率業界で一番のボトルネックはストレージのI/O。ストレージの専門家が記録を更新するのもうなずけます。
ちなみに、ガウス=ルジャンドルのアルゴリズムやボールウェインの4次式のように、理論的にはチュドノフスキー級数よりも格段に収束の速い計算方法はあります。しかしコンピューターで多倍長演算する上では整数の四則演算以外(平方根計算など)をなるべく減らしたいとか、前回の計算結果を利用してさらに多くの桁数を計算するというテクニックを使うために今でもチュドノフスキー級数が使われています。個人的には、ボールウェインの4次式を整数の四則演算だけで多倍長計算できるようなアルゴリズムとか出てきたらなんかアガります。
円周率は決して終わりのないことが証明されているので、おそらくコンピューターがある限り円周率の記録更新はこれからも続くでしょう。
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